連載コラム Vol.360

リッジから新しいシャルドネが登場!

2020年3月2日号

Written by 立花 峰夫

このほど、リッジから新しいシャルドネの銘柄が登場した。初ヴィンテージである2018はすでに日本に到着しており、このほど限定販売を開始したところである。すでにお馴染みの、シャルドネ・モンテベロ、シャルドネ・エステートに続く、「リッジの第3の白」として、ご愛顧いただければ幸いだ。

ワインの銘柄名は、「シャルドネ・コラリトス」。ほかの2銘柄と同じく、樽発酵・樽熟成の本格的なシャルドネである。「コラリトス」は、ブドウの産地であるエリアの名前で、リッジの本拠地モンテベロの山から、南へしばらく下った、サンタ・クルーズ・マウンテンズAVAの境界線近くに位置する。

ラベルに記されている「ガリ・ヴィンヤード」は、ブドウの供給元である単一畑の名前で、ガリは畑の所有者の名前。ジョセフ・ガリは、ロス・ガトスの町で住民に尊敬を払われている小児科医で、もう引退していい年齢だが、週に2日だけまだ診療を行っているという。それ以外の日は、もっぱら畑で過ごし、シャルドネとピノ・ノワールの栽培に心血を注いでいる。広告・マーケティングの世界で活躍してきた妻のジャニスのほうは、すでに職を退き、夫とともに畑仕事にいそしむ日々だ。

畑は、太平洋からわずか10km弱の距離で、霧の影響を強く受けるために、冷涼なモンテベロの畑よりもさらに涼しいテロワールである。その気候上の特徴から、生まれるワインはモンテベロ産のシャルドネよりも引き締まったシェイプをしている。それでいて、ふくよかで柔らかい果実味も同時に有しているため、和食を含む非常に幅広い料理と非常によく相乗する。ぜひ一度お試しいただきたい。

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