連載コラム Vol.374

米国の最大手ワイン価格検索サイト Wine-Searcher が選ぶ『世界で一番人気のジンファンデル』に、リッジの2銘柄が選出

2024年03月19日号

Written by 立花 峰夫

アメリカ合衆国で最大手のワイン価格検索サイト Wine-Searcher.com は、2019年に初めて、『世界で一番人気のジンファンデル』というランキングを発表した。この順位付けリストは、同サイトで消費者やプロが価格などの情報を調べた、ワイン銘柄名ごとの検索回数を選出根拠にしていて、そこに長年にわたる人気の安定性など、いくつかの別要素を加味して決められている(実際の選定基準は公開されていない)。このランキングの2019年版では、リッジが誇る看板ジンファンデルのひとつ、ガイザーヴィルが、堂々の一位に輝いた。

2024年2月、このリストが5年ぶりに更新され、以下の10銘柄が選出されている。リッジは今回も、ソノマ産のジンファンデルが2銘柄、選出の栄誉に輝いた。選ばれたのは、イースト・ベンチ(ドライ・クリーク・ヴァレーAVAにある、リットン・スプリングスの自社農園に隣接するブドウ畑から造られる、ジンファンデル100%のワインで、2000年植樹という比較的若い樹の果実を用いている)、そしてパガニ・ランチ(ソノマ・ヴァレーAVAの冷涼な畑から生まれる、ジンファンデル主体のブレンドワインで、19世紀末から20世紀初頭に植えられた古木の果実が大半を占めている)のふたつである。

われらの「顔」であるガイザーヴィル、リットン・スプリングスの2大ジンファンデル・ブレンドが、今回の選定から外れたのは不可思議ではあるものの、リッジのジンが高い評価を受け続けているのは間違いない。なお、今回発表のリストからは、順位の番号がなくなったため、掲載されている銘柄には優劣がないものと想像される。選出銘柄は高額品が中心だが、人気という点ではお値頃ワインもあり、たとえば Sula Vineyards が造るインド産ジンの米国内平均小売価格は、13ドル税別である。

2013年6月以前のコラムはこちらから