連載コラム Vol.359

Zin Fest!! 2020が開催される

2020年2月17日号

Written by 立花 峰夫

2020年2月13日、東京は南青山のアカデミー・デュ・ヴァンで、おそらくは日本で初めての「ジンファンデルに特化した祭典」である、Zin Fest!! 2020が開催された。このイベントは、カリフォルニアワインに注力する輸入業者7社(アイコニック ワイン・ジャパン / ヴィレッジ・セラーズ / 大塚食品 / 中川ワイン / 布袋ワインズ / マッシュフーズ / ワイン・イン・スタイル)が、共同で開催したもの。初回であった今年は、ワイントレード関係者だけを対象としていたが、この先はカリフォルニアで長年続けられているZAPのように、一般消費者の方々へも開かれたイベントになる可能性がある。初回である今年の来場者は160名強、期待以上の参加が得られ、まずは成功したと言えるだろう。

イベントの構成は、ジンファンデルについて深く学ぶセミナーと、ウォークアラウンド形式のテイスティングの2本立て。筆者が講師を務めた2時間のテイスティングでは、カリフォルニアにおけるジンファンデルの歴史、起源、ブドウの特性、醸造の特徴、スタイルの多様性、古木の畑などについてお伝えした上で、リッジのパガニ・ランチ2017を含む6生産者のジンファンデルをテイスティングした。ウォークアラウンド形式のテイスティングでは、輸入元各社がブースを構え、ロゼから甘口に至るまで、さまざまなスタイル、産地のジンファンデル約80銘柄を出品。自画自賛になるが、産地ごとの差や、ブレンドの差、醸造スタイルの差などを、比べながら体験していただける、とてもよい機会になったと思われる。

アメリカの象徴品種と呼ばれ、カリフォルニア州の黒ブドウで栽培面積第3位の品種であるジンファンデルは、日本の地ではまだ認知度がさほど高くない。今回のようなイベントを重ねていくことで、この品種の人気が日本市場で高まっていってくれることを、切に願っている。

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