連載コラム Vol.333

2018年ハーヴェストレポート その1

2018年9月28日号

Written by 黒川 信治

9月10月は、2018年のハーヴェストレポートを現地よりお送りします。

*******************

2018年のハーヴェストは、8月14日のエヴァンジェロ(Evangelho Vineyards)から始まった。この畑のジンファンデル、カリニャン、マタロなどの古木が植えられたのは1888年である。かつてRIDGEではこの畑のマタロを1991年と1992年に瓶詰めしている。

今年は、このエヴァンジェロの他にもいくつかの新しいブドウ園と契約している。その関係もあって、あれこれ複雑なハーヴェストとなっている。
その中には、新しいチャレンジとして、ピノノワールやローヌ系の白も含まれる。これらが、日の目を見るのかどうかも含め、発酵経過と熟成経過が気になるところである。

8月は、結局14日と27日に合計7t弱のエヴァンジェロのブドウを仕込んだだけで、その後は、9月まで待つこととなった。
9月に入るとにわかに忙しくなり、ほぼ休みなく9月7日から19日、23日から27日と連続しての収穫が続いて、9月の収穫量は昨年とほぼ同等の量になっている。

9月前半はどちらかというと過ごしやすく、最高気温で21-26℃くらいの日々が続き、今年は収穫が遅くなるのではないかと話をしていた。
ところが、9月20日に32℃を記録したころから、ブドウの糖度上昇が顕著になってきてジンファンデルが一斉に収穫のタイミングを迎えた。また、10月になるだろうと予想されていたカベルネの糖度もここへきて急上昇し始め、今週に入ってモンテベロのカベルネの収穫も始まり、ジンファンデル、カリニャンと同時にカベルネ収穫するという事態が今年も発生している。さらに週末から月曜日にかけて雨の予報(週末の雨は無くなりそう)が出たことで、今週中にソノマの畑はすべて終えることとなった。

発酵を終えたタンクのプレスも含め、兎に角、慌ただしい日々が続いている2018年の9月である。

2018年9月27日
黒川信治

2013年6月以前のコラムはこちらから