連載コラム Vol.285

ポール・ドレーパーの引退

2016年7月15日号

Written by 立花 峰夫

2016年7月1日付けをもって、リッジの最高醸造責任者兼CEOを長年務めてきたポール・ドレーパーが一線を退き、後進に道を譲ることとなった。今後は、20年以上ポールとともにワインを造ってきたエリック・ボーハー(モンテベロ・ワイナリー醸造責任者)、ジョン・オルニー(リットン・スプリングス・ワイナリー醸造責任者)、デイヴィッド・ゲイツ(栽培責任者)がトロイカ体制で製造面を、マーク・ヴァーノン(CEO)、デイヴィッド・アマディア(社長)が経営面を担うことになる。ポールは今後も取締役会の会長としてリッジに留まるが、「現役」はこれで引退である。

ポール・ドレーパー本人による「引退声明」はこちらをクリック。

いかに偉大な醸造家であっても、いつかは身を引くときが来る。甚だ残念だし、正直寂しくてたまらないが、こればかりは仕方がない。ポールはこの3月、80歳になった。モンテベロの畑の中に住み、47ヴィンテージを仕込んだことになる。上記の声明にも書かれている通り、過去10年は少しずつ跡を継ぐ者に任せる部分を大きくしてきた。だから、ポールが築いてきたリッジのワイン造りは、今後も変わらず引き継がれていく。
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