連載コラム Vol.283

モンテベロ2015のアッセンブリッジ

2016年6月15日号

Written by エリック・ボーハー

アッセンブリッジ(ブレンド)はいつだってワクワクするものだ。要素間に相乗効果が生まれ、ブレンドされたワインの複雑味が劇的に増す。2015のモンテベロもまたしかりである。アッセンブリッジが終わったのは1月13日で、醸造・栽培チームが、真剣なブラインド・テイスティングを丸二日続けたあとであった。まず我々は、モンテベロの典型というべき24の区画を吟味する。うちの15が、特に素晴らしいモンテベロらしさがあると判定され、ひとつに合わされてブレンドの核となった。次の日にはさらに8つのロットを試飲するのだが、一度にひとつずつ足してグラスふたつを利き比べてやる。ひとつは新たな区画のワインを足したもので、もうひとつは足す前の比較用ブレンドだ。評価が高かったほうのグラスが、次の比較用ブレンドとなる。結果、5つのロットが新たに選ばれてブレンドに加わった。そのあと、2010から2014ヴィンテージとブラインドで比較し、最終ブレンドの出来映えを確かめる。まだ若いながらも、2015は力強い姿で、黒系果実やエスプレッソ、デリケートなオークの香りがあり、味わいには素晴らしい重量感があった。選ばれた20のロットがそれぞれ何樽あるかに基づいて、ブレンドにおける各品種の含有比率を計算する。70%がカベルネ・ソーヴィニョン、14%がメルロ、9%がプティ・ヴェルド、7%がカベルネ・フランという比率であった。完全な辛口になるまで発酵しており、アルコール度数は13.3%。ブドウの生育期間については、75、85、95、05、15のヴィンテージはすべて驚くほど似通っている。全ヴィンテージの中で、最も2015に近い個性なのは2005である。

エリック・ボーハー
(モンテベロ・ワイナリー醸造担当副社長)
2016年2月
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