連載コラム Vol.281

リッジがガイザーヴィルの中心、ウィットン農園を買収

2016年5月13日号

Written by デイヴィッド・アマディア

リッジが初めてガイザーヴィルを生産したのは1966年のことで、それ以来、毎年このワインを造り続けてきた。初ヴィンテージから50周年の節目を迎えた今、ウィットン農園を買収したことをお伝えできるのは誠に喜ばしい。36エーカーの広さがあるこのブドウ畑は、長年ガイザーヴィルのワインに果実を供給してきた。

24年にわたって果実を買い続けたあとの1990年、ウィットン農園の所有者であるトレンタデュー家との間に、32年間のリース契約が結ばれた。その結果、リッジは耕作を自分たちで行うようになり、ガイザーヴィルの果実について「自社畑産」と表示できるようになっている。しかしながら、リース契約が終了した際のリスクは消えなかった。カリフォルニアの畑の中で、最も偉大なもののひとつだと我々が信じるジンファンデルを、手に入れられなくなるかもしれなかったのだ。

ウィットン農園の36エーカーには、「オールド・パッチ」の区画が含まれている。混植の4.5エーカーに加え、1891年植樹のカリニャンの古木が2.5エーカーあり、カリフォルニアでは最も樹齢の高いブドウ畑のひとつに数えられる。オールド・パッチからは、今でもエーカーあたり2トン以上が収穫できており、ワインに複雑な要素を加えてくれている。ほかにも、樹齢50年のジンファンデルが9エーカーある。残りの畑については、1990年と1991年に植え替えが行われた。ガイザーヴィルの石が多い粘土質土壌に植わるこれらの若木も、今日では樹齢が25年以上になった。強い果実味をワインに与えてくれていて、高樹齢の樹と同じぐらい高品質で個性豊かである。

これから先もずっと、ガイザーヴィルを造り続けることができるのは、安心でもあり悦びでもある。率直に言って、世界で最良のジンファンデルのひとつだと信じているからだ。

デイヴィッド・アマディア(販売・マーケティング担当副社長)
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