連載コラム Vol.280

最も賞賛されるワインブランド 第3位に!

2016年4月28日号

Written by 立花 峰夫

英国の酒類業界誌 『ドリンクス・インターナショナル Drink International 』は、毎年3月に「世界で最も賞賛されるワインブランド/The World’s Most Admired Wine Brands 」というランキングを発表している。世界のトップを決めるこのランキングで2016年、リッジ・ヴィンヤーズが見事第3位に輝いた。2014年度は第11位、2015年度は第7位、そして今年は堂々のトップ3入りと、順位は毎年上昇している。なお、第3位という順位は、アメリカのワイナリーとしては最高のものである。

このランキングは、マスター・オブ・ワイン、ソムリエ、ジャーナリストなど、多数のワインの専門家で構成される審査委員会の投票によって決まるもの。トップ10の顔ぶれを紹介すると、1位:ペンフォールズ(オーストラリア)、2位:トーレス(スペイン)、3位:リッジ・ヴィンヤーズ(アメリカ)、4位:カッシェロ・デル・ディアブロ(チリ)、5位:シャプティエ(ローヌ)、6位:ギガル(ローヌ)、7位:エラスリス(チリ)、9位:シャトー・ディケム(ボルドー)、10位:ティオ・ペペ(スペイン)となっている。

審査基準の中に、「世界市場への供給量がそれなりにあること」というものがあるため、ブルゴーニュのトップ・ドメーヌや、アメリカのカルトワインなど極小生産量の銘柄は、トップ10はおろかトップ50の中にもひとつとして含まれていない。アメリカ勢でトップ50に入ったのはわずかに3ブランドで、リッジの他にはロバート・モンダヴィ(37位)、シャトー・サン・ミシェル(38位)のみである。昨年にはランキングしていた、ケンダール・ジャクソン、ベアフット、ウッドブリッジ、フェッツァーといったアメリカのブランドは、今年は圏外に。その中でのリッジの躍進には、実に目覚ましいものがある。

以下は、審査員のひとりであるマスター・オブ・ワイン資格をもつシンガポールのジャーナリスト、タン・イン・シェン Tan Ying Hsienのコメントである。

「ポール・ドレーパーの辛抱強い取り組みが、リッジでは見事に実を結んでおり、とりわけ赤のモンテベロでそれが顕著である。禁酒法撤廃から30年後に誕生したこのワインは、カリフォルニアの精髄とも言うべきスタイルで、以来50年以上にもわたってぶれることなく、そのスタイルと高い品質を保ち続けてきた」
2013年6月以前のコラムはこちらから