連載コラム Vol.279

「パリスの審判」40周年再現試飲会でモンテベロが勝利!

2016年4月15日号

Written by 立花 峰夫

1976年、当時まったく無名だったカリフォルニアワインが、フランス最高の赤白を撃破して伝説となったブラインド・テイスティングがあった。人呼んで「パリスの審判」またはパリ・テイスティング。リッジからはモンテベロの1971年が参戦し、1976年当時の順位は第5位であった。しかし、熟成を経るにつれてモンテベロはその真価を発揮し、1986年の再対決では2位に順位を上げる。そして、2006年に開かれた30年後の決定版リマッチ。このとき、モンテベロ1971は2位以下を大きく引き離してのトップに輝き、類い希な長期熟成能力を世界に知らしめている。

さて、それから10年が経過しての今年2月、再度訪れた節目の年を記念するために、またしてもブラインド・テイスティングが開かれた。主催したのは、アメリカを代表する飲食・娯楽・宿泊企業のひとつで、全米に500以上の店舗・施設を展開するランドリー・グループ。系列のレストランで働くマネージャーが約150名、ネヴァダ州ラス・ヴェガスに集まって、テイスティングに参加した。

「パリスの審判」に参加したカリフォルニアのワイナリーからは醸造家が出席しており、試飲の前に行われたパネル・ディスカッションにおいて、ワイン造りの特徴、今後の展望などを語った。ブラインド・テイスティングに出されたのは、1976年の赤ワイン部門に参加したワイナリーが造る、現行ヴィンテージのワインたち(2012中心)。あえて若いワインを利き酒することで、現在の実力を推し量ろうという趣向だ。

そして、今回またしても、リッジ・モンテベロがトップを取った。勝利した2012年ヴィンテージは、強い骨格をもつ長期熟成型のワイン。今後の熟成が楽しみな一本である。

<ブラインド・テイスティングの順位と点数>
1位 リッジ・モンテベロ2012 14.96点
2位 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ2012 14.57点
3位 スタッグス・リープ SLV 2013 14.56点
4位 シャトー・ムートン・ロートシルト2012 14.12点
5位 クロ・デュ・ヴァル SLD 2012 14.09点
6位 ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード2009 13.62点
7位 フリーマーク・アビー・ボッシュ2012 13.61点
8位 シャトー・オー・ブリオン2012 13.32点
9位 マヤカマス2010 12.24点
10位 シャトー・モンローズ2012 12.11点
2013年6月以前のコラムはこちらから