連載コラム Vol.249

リッジがソノマ郡最大の有機栽培実践者に

2014年12月26日号

Written by デイヴィッド・アマディア

10年以上にわたって持続可能な手法で自社畑を耕作し、5年のあいだ有機栽培の新しい手法を実験したのちの2008年に、リッジは有機栽培の認証取得に乗り出した。有機栽培への移行によって我々のブドウ栽培は、伝統的なワイン造りというリッジのポリシーに沿ったものとなる。リッジの伝統的なワイン造りとは、19世紀半ばの高級ワイン造りでも用いられていた、穏やかな手法のみを用いるものである。

「過去7年間、着実な歩みで有機栽培への移行を進めてきました。最初の畑で認証が得られたのが2011年のことです」と語るのは、1988年以来リッジのブドウ栽培を統括するデイヴィッド・ゲイツである。リットン・スプリングスとガイザーヴィルの畑に植わるジンファンデルは、2015年に有機栽培の認証が得られる予定だ。モンテベロ赤とカベルネ・エステートに用いられる果実の95%以上も、同じ2015年に認証を受けるはずである。「可能な区画すべてを、有機栽培に転換したい」とゲイツは言う。

最近になってわかったことなのだが、リッジ――決して大規模な生産者ではない――は、ソノマ郡ならびにサンタ・クルーズ・マウンテンズAVAにおいて、最大のブドウ有機栽培者となる。

この情報は、パム・ストレイヤーからもたらされたものだ。彼女が開発した二つのソフトウェア「ソノマの有機栽培/試飲とツアーガイド」および「ソノマの有機栽培/ワイン検索」を使って調べた結果、わかったのだという。この知らせに我々は驚いたのだが、同時に自分たちがどれほど有機栽培に力を注いできたかについて、気付くことにもなった。

イースト・ベンチの畑はすでに100%有機栽培である。ガイザーヴィル、加えておそらくリットン・スプリングスの畑も、来年(2015年)にはそうなる。2013年ヴィンテージのイースト・ベンチ・ジンファンデルのラベルには、リッジで初めて「有機栽培ブドウ100%」と表示する予定である。モンテベロ赤とカベルネ・エステートについても、これから数年のうちに完全に有機栽培に移行するだろう。

「有機栽培への移行を決意したのは、ブドウおよびワインの品質が向上すると信じたからです。本物の有機栽培では、個々のブドウ樹の健康と、土壌中の微生物活動に細心の注意を払います。我々は土地に仕える者であり、有機栽培は従業員にとっても、地域社会にとっても、未来の世代にとっても正しいことなのです。畑でのこのアプローチが、我々の伝統的なワイン造りに加味されれば、お客様に能う限り最良のワインをご提供できることと思います」このように、CEO兼最高醸造責任者のポール・ドレーパーは述べている。

2014年秋
デイヴィッド・アマディア(販売・マーケティング担当副社長)
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