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連載コラム Vol.31
ジンファンデルの栽培について その3
  アメリカ醸造栽培学会におけるデヴィッド・ゲイツの講演より(1997年6月30日)  
 
 これからは、私どものソノマの畑における(ジンファンデルの)生育期間について、概略をお話いたします。
剪定:私どものジンファンデル(およびプティ・シラー、グルナッシュ、マタロ、アリカンテ)はすべて、いわゆるゴブレの仕立てで、支柱やワイヤーなどを使わない短梢剪定の葡萄樹です。コルドンに仕立てたジンファンデルは、ゴブレのものと比べると味に強さがなく、面白みに欠けることが私たちには分かっています。同じ穂木、台木、樹齢、芽数にした二つの仕立てを隣り合わせに植えて比べてみると、ゴブレよりもコルドンの樹のほうが房も粒も大きくなり、カビが生えやすく、色も薄く、風味の強烈さでも劣るのです。どんな畑でも成木一本につき二芽の短梢を6〜12(あるいはそれ以上)残すようにしていまして、数は樹勢、樹齢、健康状態によって決められます。短梢は、葡萄樹のてっぺんから車輪のスポークのように広がっていますので、ゴブレと呼ばれる脚付きコップやシャンデリアのような形に見えます。リットン・スプリングスの若木はガイザーヴィルの若木よりも樹勢が低いので、リットンの樹齢3〜6年の樹には4〜6本の短梢しか残しません。一方、ガイザーヴィルの若木の場合は、6〜8本の短梢を残します。樹齢を重ねるにつれて、短梢の数を増やしていってやるのです。
雑草のコントロール:カリフォルニアの葡萄畑で、ごく一般的な方法を用いています。冬場に除草剤を撒き、夏場には雑草が生えたところにだけ、必要に応じて処置を行います。夏場の雑草としては、朝顔、イエロー・スター・シッスル、バミューダグラス、ブラックベリー、ウルシ(私のお気に入り!)、そして野生化したセント・ジョージの台木などがあります。平地の畑では畝間を耕して除草しますが、斜面の畑では表土侵食を防ぐために、草の地表に出た部分だけを刈り取るようにしています。カバー・クロップについても、一年生のものも多年生のものも様々な種類を試してはみましたが、自然に生えてくる雑草を刈り取る方法のほうが私は気にいっているのです。ただし時々、畝間に軽く鋤を入れて、トラクターなどの荷重によって凝固した土壌をほぐしてやるようにはしています。そうすれば、水はけがよくなるのです。
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 デヴィッド・ゲイツ
 リッジ・ヴィンヤーズ副社長、栽培責任者