Archives
連載コラム Vol.29
ジンファンデルの栽培について その1
  アメリカ醸造栽培学会におけるデヴィッド・ゲイツの講演より(1997年6月30日)  
 
 本日こちらでお話させていただく機会を与えてくださった、ダニエル・ロバーツ博士とアメリカ醸造栽培学会にまずは御礼申し上げます。
 過去35年にわたりまして、リッジは実に様々な土地で育ったジンファンデルをワインにして参りました。はるか遠くはメンドシーノ郡、アンダーソン・ヴァレー北部の丘陵地、シエラ・フットヒルズのシェナンドア・ヴァレー、ソノマ郡、ナパ郡のハウエル・マウンテンやスプリング・マウンテン、ロダイあるいはウッドブリッジのエリア、サン・ベニート郡、そしてサン・ルイス・オビスポ郡のパソ・ロブレスといった産地です。まだ漏れているところがきっとあるはずでして、後日誰かが「○○が抜けていたよ」と教えてくれるに違いありません(笑)。
 これからお話することは、主にリッジが関わっているソノマ郡の畑についてだとご理解ください。具体的に場所を言うと、ドライ・クリーク・ヴァレーとアレキサンダー・ヴァレーの境界線上にあって、リットン・スプリングス・ロードに沿ってのびる台地上のエリアと、ガイザーヴィルの町の南部、アレキサンダー・ヴァレーの西端にあたるエリアにある畑です。この場所の畑からできるジンファンデルこそが、一番際立った味わいを持ち、かつ安定もしているというのが、長年の間に私たちには分かってきました。そこで、ジンファンデルの供給元をこのエリアに絞り、集中的に取り組むことにしたのです。葡萄樹の樹齢は、植えたばかりのもの(1997年6月植樹)から、100年を越すもの(1880年植樹)までかなりの幅があります。
 このエリアの他にも現在、ヒールスバーグの町のすぐ南、ロシアン・リヴァー地区にあるミッドウェイ・ランチや、ソノマ・ヴァレー地区はケンウッドの近くにあるパガニ・ランチ、ナパ郡にあるセント・ヘレナの町の北、スプリング・マウンテン地区にあるヨーク・クリークの畑、サンタ・クルーズ山脈地区のジムソメアの畑、パソ・ロブレス地区のベニ・ドゥージーの畑の葡萄がリッジでは用いられています。
 ジンファンデルの栽培とワイン造りに関するリッジの取組みについて、この後はお話して参りますが、お心にお留め置きいただきたいのは、私の話は多数あるジンファンデルの栽培方法のうちの、単なる一例に過ぎないということです。(続く)
Archives
 デヴィッド・ゲイツ
 リッジ・ヴィンヤーズ副社長、栽培責任者