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連載コラム Vol.182

ポール・ドレーパーへの10の質問 その4

  Written by 立花 峰夫  
 
 リッジ・ヴィンヤーズの総裁ポール・ドレーパーに向けられた、10のQ&Aの第四回である。質問者は、ブラジルにおけるリッジの正規輸入代理店ミストラル社のRodrigo Mainardi 氏。原文はリッジの公式ブログに2011年8月に掲載された。


<質問7>
 ジャンシス・ロビンソンは、モンテベロのシャルドネをブルゴーニュの特級畑ワインに例えている。モンテベロのシャルドネを造ったとき、ブルゴーニュの偉大なワインからインスピレーションを受けたのか?

<回答7>
 ジャンシスの言葉は嬉しいが、実際のところ私はブルゴーニュの白がどんなふうに造られているのかよくは知らない。だが、優れた白ワインがどんなものかの感覚は持っているつもりだ。モンテベロのシャルドネは素直に造られており、あれこれ手をかけていじくりまわしてはいない。少しずつ、技術面での改善を加え完璧に近づけてきた。優れたワインを造ろうとはしているが、ブルゴーニュの真似をするつもりはない。ただし、モンテベロのテロワールは、ブルゴーニュにいくらか似た品質と個性を、我々のワインに与えてくれてはいる。


<質問8>
 複数の区画、品種をブレンドすることのメリットは何なのか?

<回答8>
 ボルドー地方メドック地区でそうしているように、カベルネ・ソーヴィニョンを主体にして、比較的少量のメルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドをブレンドすると、100%カベルネ・ソーヴィニョンで造るよりも複雑で洗練されたワインになる。同様に、最も複雑なワインを生んでいる区画を選び出し、ブラインドテイスティングでそれぞれが補いあっているか確認することで、複数区画からできたワインは単一区画からできたワインよりも優れたものになるのだ。



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 立花 峰夫
 フリーのワインライター/翻訳者。
 2003年ヴィンテージには、リッジ・ヴィンヤーズの研修生
  として醸造を経験。