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連載コラム Vol.119
ソノマにおける品種の混植 その2
  Written by デヴィッド・ゲイツ  
 
こうした古い混植の畑は、あとから植えられた若い樹に補われつつ、リットン・スプリングスやガイザーヴィルのワインにおいて背骨の役割を果たしている。若い樹については、ブロック毎に同一品種が植えつけられる形、つまり100パーセントのジンファンデルか、100パーセントのプティット・シラーかといった具合だ。しかし、我々はしばし考えたのち、、ガイザーヴィルの新しい6エーカーの区画で、オールド・パッチ区画の混植を真似ることにした。この「ニュー・パッチ」には、ジンファンデルが55パーセント、プティット・シラーが14パーセント、カリニャンが14パーセント、その他の品種が17パーセントという比率で植えられている。こうした品種をすべて集めてワインにするのは楽しいことだが、いざ植えるとなると話が違う!区画全体でいい具合に品種が混ざるようにするのは、時間と手間がかかるのだ。その計画をしているあいだ、40人もの作業員がずっと植え付け開始を待っているのである。混植の結果を不安に思うこともあったが、初めてこの区画で収穫された2004年のワインを試飲すると、杞憂だったことがわかった。風味が強烈で層を成しており、果実の表現も美しい。このワインはその年のガイザーヴィルに含められ、それ以降も毎年ブレンドされるようになった。

ニュー・パッチの成功を踏まえた我々は、リットン・スプリングスで新植するときも、同じように混植にすることにした。2008年に植えた8エーカーの区画は、ジンファンデル60パーセント、カリニャン18パーセント、プティット・シラー10パーセント、その他の品種が12パーセントという比率になっている。今年中にはブドウの樹形を整える予定で、2010年には少量の果実が収穫できると見ている。このリットン・スプリングスの区画が、ガイザーヴィルの若い混植畑と同様に成功したなら、この先これらの優れた畑では同じことが行われるだろう。新しい混植の畑は時が経つにつれ、我々自身が後の世代に残す遺産となるに違いない。

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  デヴィッド・ゲイツ
 リッジ・ヴィンヤーズ副社長/栽培責任者