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連載コラム Vol.11
2004 ハーヴェスト・レポート No.1
  Written by ポール・ドレーパー  
 
信じられない!
 4月から8月初旬まで涼しい気候が続き……今年の収穫は8月17日に始まった。43年のリッジの歴史の中で、もっとも早い開始である。しかもそれは、ぽつんと離れたどこかの場所でスタートしたわけではない。ガイザーヴィルの町にあるマゾーニ畑の混植・古木のジンファンデル、それに若木のジンファンデルの区画も一つ、その葡萄が最初に運び込まれたのだ。新しく生まれ変わったリットン・スプリングス・ワイナリーでも同じ日にクラッシュが始まり、それはリットン・ウェストの畑にあるジンファンデルの区画2つ分であった。次の日には、パソ・ロブレスにあるドゥージー畑から最初の葡萄が届き、ドウージーの残りの分も週末にはやってきた。同じく週末までに、ガイザーヴィルの畑に植わる樹齢14年の「若木」と、リットン・ウェストにあるジンファンデルの数区画がさらに収穫されている。すべての葡萄が完璧に熟し、風味に満ちあふれていた。
 この爆発的に早い収穫開始をどう説明したらよいだろう。答えは簡単である。3月に前例のない夏のような日が何日か続き、気温が27度にも達したのだ。そこから夏がくるまでは涼しかったのだが、葡萄樹の活動はとどまることを知らなかった。そのため、ジンファンデルは随分と早く摘むことになった。だが、モンテ・ベロの畑には今のところ慌ただしいスタートになりそうなきざしは見られない。あらゆる面で、素晴らしい収穫に向けたゴーサインが出ている。
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 ポール・ドレーパー
 リッジ・ヴィンヤーズCEO、最高醸造責任者