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連載コラム Vol.106
リッジはどれくらい環境に優しいか?その3
  Written by デヴィッド・ゲイツ  
 
ブドウ樹のバランス
私たちは常に、ブドウ樹のバランスをとることを目指して仕事をしている。際立った個性を備え、長い寿命をもつ風味豊かなワインを生みだすためにはそれが必須なのだ。ブドウ栽培における各種の作業、すなわち剪定、余分な新梢の除去、除葉、摘房、灌漑管理などはすべて、品種と気候を適合させ、樹勢と土壌タイプを、あるいは収量とキャノピーをうまく組み合わせることにつながっていくのである。こうした調和が得られると、一本一本のブドウの樹が、畑の生態系の中に存在する小宇宙となる。ブドウ樹のバランスがよくなるほどに、より高い次元での「持続可能性」が達成されるのである。

教育活動
持続可能農法への取り組みを通じ、我々はいくつかの組織と共同するようになっている。その中からも、農業や環境保護に関する新しいアイデアが生まれてきているのだ。まず、カリフォルニア大学バークレー校とともに、「農業生態学的多様性プロジェクト」を推進していること。このプロジェクトでは、益虫をブドウ畑に呼び寄せるために、畑に被覆作物を生やし生垣を設けるようにしており、その効果を検証している。また、ヴィンヤード・チームという名の、ワイン用ブドウ栽培の持続可能性を追求する非営利団体があって、リッジはこの団体とも協力関係にある。さまざまなクローバーを被覆作物として用いた際に、どれだけ効果的に益虫を引き寄せられるかを試験しているのである。ソノマ郡にあるブドウ畑は、「魚に優しい環境保全型農業認証プログラム」に参加しており、土壌浸食と河川への堆積を防ぐための、あらゆる方策を実践している。

受賞歴
リッジはアメリカ合衆国衆議院およびカリフォルニア州議会から、水質改善および環境保全活動における優良ワイナリーとして表彰されている。また、リットン・スプリングス・ワイナリーは、その環境保護を重視した設計によって、数々の賞を受けてきている。

毎年我々は、何か新しいことを学び、知識や経験を広げている。そうすることによって、より素晴らしく、より環境に配慮したブドウ畑、そして世界に向かっているのだ。

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 デヴィッド・ゲイツ
 リッジ・ヴィンヤーズ副社長/栽培責任者