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連載コラム Vol.100
モンテベロ 2007 アッセンブリッジ その5
  Written by 立花 峰夫  
 
 ファースト・アッセンブリッジの手順、後半である。

 初日に行なった全ロットのブラインド・テイスティングの結果、最も高く評価されたロットが集められ、「ベースワイン」が造られる。2007年のファースト・アッセンブリッジの場合、初日にテイスティングされた36のロットのうち、10が選び出されてベースワインとなった。ここから、「イン&アウト・トライアル」と呼ばれる次のプロセスが始まる。

 イン&アウト・トライアルとは、ベースワインに一点新しいロットを加えたワインと、加える前のワインを二点比較して、優れているほうを選ぶというものである。ベースワインの要素としては選ばれなかったものの中にも、優れたロット、気になるロットというのが必ずある。そうしたロットを、一点ずつ吟味するのがこのプロセスなのだ。

 テイスティングの参加者は、二点のワインをブラインドで試飲して、「好ましいもの(+)」と「好ましくないもの(−)」をつける。そのあと採点を集計し、全員でディスカッションをした上で、どちらがモンテベロに相応しいワインかを選ぶ。新しいロットを加えたほうが優れていると判断されると、そちらが新しいベースワインになるというわけ。次のイン&アウト・トライアルは、その新ベースワインに対して行なわれるのだ。

 2007年ヴィンテージの場合、このイン&アウト・トライアルは16のロットについて行なわれ、結果として7のロットがベースワインに加えられた。つまり、合計17のロットが「ファースト・アッセンブリッジ」のワインとなったのである。

 そして5月、この「ファースト・アッセンブリッジ」に対して、再びイン&アウト・トライアルが行なわれる。5月のタイミングで吟味されるのは、1月のタイミングでまだ安定していなかったために、テイスティングから外されたロットである。2007年の場合、5月のセカンド・アッセンブリッジで12のロットが吟味され、うち2つが新たにモンテベロに加えられている。

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 立花 峰夫
 フリーのワインライター/翻訳者。
 2003年ヴィンテージには、リッジ・ヴィンヤーズの研修生
  として醸造を経験。