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連載コラム Vol.103
リッジはどれくらい環境に優しいか?その2
  Written by デヴィッド・ゲイツ  
 
リッジの持続可能農法
 我々は常に持続可能農法に取組み、改善を試みている。いくつか例をあげてみよう。

 堆肥: 毎年、ブドウの果梗と搾りカス(発酵後の果皮と種)はすべて、近隣の農家からもらう馬の糞などと一緒に堆肥にする。一年間堆肥にするために発酵させたあと、この「茶色い黄金」はブドウの収穫後に畑にまかれるのだ。堆肥は土壌を豊かにし、ブドウ樹に栄養を与えてくれる。

 被覆作物: ブドウ畑の各区画の状況に応じて、数種類の異なる被覆作物を用いている。どんなものがあるかというと、まず数種のマメ科植物とイネ科植物の組み合わせ。土壌を育てる効果があり、ブドウ樹が健康を保つために丁度良い量の窒素と有機物を供給してくれる。益虫の住処となり、そうした虫の個体数を増やすための植物もある。加えて、土壌侵食を防ぐために植えるイネ科植物やクローバー。肥沃すぎる土壌の畑で、ブドウの樹勢を抑えるために植える、根の深い多年生イネ科植物もある。

 総合防除: あらゆる虫や病気の害を抑えるために、我々は総合防除(IPM)の手法を用いている。総合防除とは、病虫害に対抗するために、農場全体のシステムを見るというアプローチである。多様な農作業を、病虫害とその天敵のバランスを注意深く観察しながら行なうことで、作物のダメージを防ぐのだ。総合防除の重要かつ大きな目標は、殺虫剤の使用を減らすもしくは無くすことである(ここでいう殺虫剤には、化学合成品だけでなく有機栽培で認可されているものも含まれる)。

 害虫を食べる益虫: ブドウ樹にダメージを与えるハダニがいる。ハダニ駆除には農薬をまくのではなく、益虫を畑に放つことによって、ハダニの個体数を問題ないレベルまで抑えるようにしている。ハダニの数を注意深く観察し、その天敵を畑に大量に投入してやれば、農薬をまかなくても済むのである。

 鳥: 猛禽類の止まり木や鳥籠を備えることも、虫やモグラの害を抑える効果がある。加えて、鳥のいることは健全な自然環境にとって重要なのである。

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 デヴィッド・ゲイツ
 リッジ・ヴィンヤーズ副社長/栽培責任者