リッジのワインはかねてから、ホワイトハウスの晩餐会でよく用いられてきた。世界の首脳や国賓を相手に繰り広げられる「美食外交」の場において、アメリカが世界に誇る逸品としてその存在を誇示するのだ。最近の例では2016年10月に、オバマ大統領がイタリアのマッテオ・レンツィ首相をホワイトハウスに迎えた任期中最後の公式晩さん会で、メインディッシュの炭焼きテンダーロインに合わせてジンファンデル・イースト・ベンチ2014年が饗されている(レポートはこちら)。2013年6月に、中国の習近平国家主席をオバマ大統領が迎えた晩餐会の席においては、メインディッシュのポーターハウスステーキにガイザーヴィル2008年が合わせられた(レポートはこちら)。日本が絡む近年の例としては、2006年6月、当時の小泉首相をブッシュ大統領が歓待したホワイトハウス晩餐会があげられる。この時にはリットン・スプリングスの2004年が、メインディッシュの神戸牛に合わせて出された(レポートはこちら)。 外交の場でリッジが饗されるのは、アメリカ本国ばかりではない。2008年7月に行われた北海道洞爺湖サミットの晩餐会においても、リッジのワインが主役を果たしている(レポートはこちら)。ザ・ウィンザーホテル洞爺の料理長が腕をふるった乳のみ子羊のローストに、華やかな彩りを添えたのはモンテベロの1997年であった。